ノウハウ本の寒さ
年度末の金曜日。学生は大学の学業が一段落しているころですね。
「私は悲しいです。どうしてそう思ったか教えてもらえませんか?」というフレーズに白々しさを感じませんか?
このフレーズは、後輩と読んでいた本に載っていたものです。その本は、少し前に流行った「アドラー流」を売りにした本でした。「ロボットみたいですね」と後輩から感想をもらって大いに同意しました。
「遅くなると、次の人の作業にも影響がでてしまうからね」
こんなフレーズも載っていました。なんとなく白々しさを感じて寒いセリフだなと感じてしまうのは僕だけでしょうか。この本のフレーズは現実離れしていると批判したいわけではありません。ただ、なんでこの白々しさを感じるのかなと疑問に思っています。
まるで下手な小説のようなフレーズにも思えてきます。目の前の相手が、あまりにも多様すぎて(一般化しすぎて)相手に依存しないフレーズになってしまっているような気がします。言葉というものが決して一般的なものではなく、相手との関わりから出来上がっていくことをここで目の当たりにしたような感覚を覚えました。